みんなでワイワイ、楽しみながら新しいことに挑戦できる環境がある――SOU WORKS高原
SOU WORKS高原 ITスキル支援員 辺土名律さん
就労継続支援B型事業所SOU WORKS高原でITスキル支援員として働く辺土名律さん(28歳)。放課後等デイサービスから就労支援の世界へ飛び込んで、ちょうど1年が経った。「もともと福祉志望じゃなかった」という辺土名さんが、なぜこの道を選び、どんな想いで利用者と向き合っているのか。利用を検討している方に伝えたい、SOU WORKSのリアルな姿を聞いた。
福祉全般を知りたくて就労支援に飛び込んだ
- 辺土名さんはもともと福祉のお仕事を目指していたのですか?
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もともとは特に福祉志望だったわけではなくて、気づいたら福祉にいたみたいな感じです。大学では心理学を専攻していて、小学校の支援員を1年半やった後、放課後等デイサービスで2年半働いていました。福祉の道へ進んだのは、明確な意思というよりも自然な流れでしたね。
- SOU WORKSに転職しようを決めた理由は?
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放課後デイで働くことに体力的な限界も感じていたのと、放デイにとどまらず福祉全般を見たいなって思いました。家族の時間を大切にできる職場を探したときに、ライフワークバランスを大切にしているSOU WORKSなら働きやすく、障害福祉という新しい分野にも携われると思って決めました。
- 就労支援に関する知識はありましたか?
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就労支援についての知識はゼロでした。調べてもなかなかよくわからなかったので、一回やってみないとわからないだろうって。そんな前向きな気持ちで、新しい世界へ飛び込みました。
- 放デイから就労支援に移ってきて違いを感じるところはありますか?
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放デイでは目を離せない瞬間がいっぱいあって、基本的に常に児童の様子を見ていなくてはいけません。でも、SOU WORKSは結構自立されてる方も多いので、見守りのスタイルが全然違うなと感じました。子どもから大人へ。常に目を離さない支援から、一人ひとりのペースを尊重する支援へ。その違いを肌で感じながら、就労支援の世界に馴染んでいきました。
利用者様一人ひとりのスキルに合わせて段階的にアプローチ
- 普段のお仕事内容を教えてください。
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IT支援員として利用者様に作業を割り振ったり、作業の難易度を調整したりするほか、利用者様の送迎、相談対応、行政への提出書類のサポートなど、多岐にわたります。利用者さんに寄り添いながら、その人に合った支援を考えていく。IT関連の支援だけじゃなくて、いろんな形で関わらせてもらっています。
- IT関連の作業では、具体的にどんな支援をしていますか?
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データ入力や動画編集を中心に支援しています。利用者さんのスキルレベルは本当に様々で、「初心者みたいな方から、プログラムできますよっていう方まで」いるので、それぞれに合わせた作業をお願いしています。
- スキルレベルに応じてというと、どのように対応するのでしょうか?
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段階的なアプローチを大切にしています。まずはタイピングの練習をやってみてくださいってお渡しして、タイピングができるね、じゃあデータ入力の仕事に移行してみようか。それもできるということなら、自分で考えて調べて入力するデータ入力もあるので、そちらに移行する。
タイピングが難しいという方には、動画編集などスマートフォンでも可能な作業に移行していただくこともあります。利用者さんの「やってみたい」という気持ちを何より大切にしながら、着実にステップアップできる環境を整えています。
- IT未経験の方でも大丈夫なんですか?
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全然大丈夫です。興味があるけどやったことないっていう人もたくさんいます。まずはタイピングの練習から始めて、難しいところがあれば一緒に対応していきます。
利用者様の「やりたい」を大切に
- 利用者さんの「やってみたい」はどのように確認しているのでしょうか?
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具体的にやりたいことを聞くこともありますが、例えば送迎中の車の中で「絵は描けるんだけどな」ってポロっと話されることがある。そういった何気ない一言を大切に拾って、支援につなげています。
- その一言からどう支援につなげていくのでしょうか?
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仮に「絵が描ける」と言われた利用者様がいたとしたら、「まず好きなイラスト自由に描いてみて」とタブレットをお渡しします。それで何か描いていただけたら、「これはオリジナルなのか、既製品なのか」を確認します。それから「こういった作品はどんなところで売れているか、ちょっとリサーチしてみよう」と、実際に絵の販売をしているサイトを一緒に見て、「●●さんが描いたものと系統が似てるよね。もしかしたらここで売れるかもしれないよね。じゃあ1回売ってみようか」といった感じで進めていきます。
最初から「絵で稼ごう」というのではなく、「自分の絵は売れるんだろうか」を一緒に見ていく。売れないなら、「じゃあどういう風な絵だったら売れるんだろう」と一緒に探していく。そんな伴走型の支援が、SOU WORKSのスタイルです。
やりやすくする方法を常に考え、利用者様と互いに学び合う関係
- 日常業務で特に心がけていることを教えてください。
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「どうやったらやりやすくなるか」を常に考えています。
動画編集をお願いするときも、急に「この動画作ってほしい」と渡すのではなく、「動画編集やったことありますか?」「動画編集のアプリこういうのがあるんですけど、1回ダウンロードしてもらえませんか?」と段階を踏んでいきます。ロゴの説明、文章の共有、台本も全部用意して「ご自身で考えていただくのはカットするタイミングです」というように、詰まりそうなポイントを先回りして説明することで、利用者さんがスムーズに作業に取り組める環境を作っています。
- それってすごく手間がかかりますよね?
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そうですね。支援員側がラクをしようとして利用者さんに投げてしまえば、それでも何かやっていることにはなるかもしれません。でも、どうすればやりやすいか一緒に考えて、一緒に取り組んでいくことが利用者様が楽しく、継続的に活動する上で大切だと思います。
- 支援で最も大切にしていることは何ですか?
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SOU WORKSでは素晴らしい方たちにたくさん出会えます。そんな素晴らしい方々から学ぶだけではなく、その方に勇気や元気を、やさしさを持ち帰ってもらえるように、心を広げるように努めています。利用者様から学び、利用者様にも何かを持ち帰ってもらう。そんな双方向の関係性が、SOU WORKSの支援の根底にあります。
対面でもチャットでも、質問しやすい雰囲気づくり
- 利用者様からは「質問しやすい」という声が多く寄せられていますが、なにか工夫していますか?
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質問しやすい空気づくりはすごくしています。対面で質問しやすいように、表情づくりだとか、すぐに声かけやすい場所にいるようにはすごく気をつけています。声をかけるのが得意でない方は、チャットでも質問できます。
- チャットでの相談にはどう対応されていますか?
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チャットで相談してきた利用者様には、問題解決後に必ず一言添えます。「わからない部分をしっかり説明してくださってありがとうございます。何か詰まるところがあれば、いつでもまたご連絡くださいね」って。いつでも相談していいんだよ、っていうメッセージを伝えるようにしています。
好きな場所で作業できる!おしゃれな事業所
- SOU WORKSは空間にもこだわっていますが、他の就労支援事業所と比べて違いはありますか?
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一言で言うと「おしゃれ」です。大ホール、作業室、革細工をやる場所、ゆっくりできる大木像、風に吹かれながら作業ができるベランダなど、利用者さんはその日の体調や気分に合わせて、働く場所を自由に選べます。
- おしゃれさはほかの事業所とは全然違う?
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まったく違います。設備なども含めて、圧倒的にきれいです。
- 席は自由に選べるんですか?
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席が固定化されつつある人たちもいますが、それぞれの席を選んでるのはご自身なので。自分がいいと思った場所に居続けることもできます。在宅ワークも可能です。
ワイワイみんなと関わりながら、作業もしっかりやりたいならSOU WORKSへ
- どんな人がSOU WORKS高原に向いていると思いますか?
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楽しいこと、おもしろいこと、好きなことを追求するのが得意な人。何か問題があったらどうにかして工夫するのが好きな人。みんなで一緒に楽しめるのが好きな人はSOU WORKSで楽しく過ごしていただけると思います。
- 楽しみながら活動できるのがSOU WORKSらしいところなんですね。
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世の中にはいろいろな就労継続支援B型事業所があって、黙々と作業に集中しようというところもあれば、ゆっくり過ごせる居場所であることを重視している事業所もあります。SOU WORKSは両方のいいとこどりのような環境で、利用者様同士やスタッフともしっかりコミュニケーションもとれるし、作業も一人ひとりのペースで取り組めます。
- SOU WORKSでは無料体験ができると思いますが、無料体験ではどんなことをやるのですか?
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ITに興味がある方には、タイピングやデータ入力を体験していただきます。ご希望によっては動画編集をやることもあります。手作業がしたいという方なら、練習用の皮を使って革細工も体験できます。利用開始後に実際にやるような作業を体験していただけます。
いろいろ気にするより、まずは一回来てみてほしい
- SOU WORKSに携わって1年、今どのように感じていますか?
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すごく面白いと感じています。いろんなことをさせていただける環境に身を置いてるなって。
利用者様もそのご家族も、SOU WORKSをすごく信頼してくださってる方がたくさんいます。そんな中で僕自身も、SOU WORKSの人間として信頼していただけている実感があって嬉しく思っています。
新しい業務がどんどん入ってきて、挑戦し続けられる環境。それは、利用者様だけでなく、スタッフにとっても成長の場になっています。人生を生きていく中での経験値として、すごく学ばせてもらってるなって思います。
- 最後に、利用を検討している方へメッセージをお願いします。
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いろいろ気にするより、まずは一回来てみたらいいんじゃないかなって伝えたいです。就労継続支援B型事業所に初めて来るときにはいろんな不安があると思いますが、見学だけでも全然大丈夫です。実際に雰囲気を見て、スタッフと話してみて、「ここなら通えそうだな」って思ってもらえたら嬉しいです。
普段の生活では、なかなかできないようなこと、新しいこと、知らないことに挑戦する機会がここにはあります。仲間とともに活動することで、大きな経験を得ることができる。ぜひ、あなたの将来のために、貴重な経験と時間を築いてほしいです。
インタビューを終えて
「支援員側がラクをしようとして利用者さんに投げてしまえば、それでも何かやっていることにはなるかもしれない、でも・・・」この一言に、辺土名さんの障害福祉への真摯な姿勢が込められていると感じた。利用者様のふとした瞬間の一言を丁寧に拾い上げ、未経験者から経験者まで一人ひとりに合わせて段階的にスキルアップできるように作業を割り振っていく。辺土名さんのもとでなら、様々な利用者様が安心して一歩ずつ前進していけるはずだ。