SOU WORKS高原は自分を律して、成長できる場所
SOU WORKS高原 上野正子さん
就労継続支援B型事業所を選ぶにあたって居心地の良さを重視する人は多いが、上野正子さん(63歳)はそれとは真逆に「ここなら緊張して通えそう」とSOU WORKS高原を選んだという。視床出血で倒れたのち、自分らしさを取り戻してより成長するためにSOU WORKSへ通い始めたという上野さんにお話を聞いた。
視床出血後のリハビリから、自分らしさを取り戻したくてSOU WORKSへ
- 8カ月ほど前からSOU WORKS高原に通っていらっしゃるそうですが、その前はどんなことをしていらっしゃったんですか?
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ちょうどコロナの頃に脳出血の一種の視床出血という病気を患ってしまって、少し回復してからはずっとリハビリをしていました。
- それはたいへんでしたね。では、回復してきたから就労支援に行ってみようということだったんでしょうか?
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就労支援に行こうと思って探したわけではなくて、たまたま自宅のポストにSOU WORKSのチラシが入っていたのがきっかけでした。訪問リハで歩く訓練などをしていたんですが、退屈になってきてしまって「ちょっと頭を使ってみたいな」と思っていたところでした。
- 頭を使ってみたいというと?
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身体を動かすリハビリを続けていましたが、以前の自分に戻るのがちょっと遅いなと感じるようになっていました。それでチラシを見たときに「ここだったらできるかもしれない」と思って主治医に相談したんですが、そしたら「あなたの場合は就労支援で頭を使う活動をするのもいいんじゃないですか」と言っていただけたので、行ってみようかなと思いました。
- 自分らしさを取り戻すために選択されたんですね。
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はい、やっぱりリハビリだけでは復活が遅いかなと。朝起きて身だしなみを整える。例えば、髪をブラッシングしたり、歯磨きをしたり、ご飯を食べて、着替えて、誰かに会ったり。そういう心構えをつくりたいと思いました。
キレイな事業所を見て「ここなら緊張感を持って通える」とSOU WORKS高原に決めた
- 見学や体験はしましたか?
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ケースワーカーさんと一緒に見学に行きました。とにかく「キレイな場所だな」というのが最初の印象でした。管理者の玉山さんとも話す中で、ケースワーカーさんが「上野さんの性格にはここがいいよ」とすごく推してくました。ケースワーカーさんのことはとても信頼していたので即答で決めました。
- もともとパソコンの作業などがしたかったのですか?
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やったことはなかったんですが、やってみたいと思いました。今まで接客業など身体を動かす仕事をやってきていましたが、身体を壊してしまったのでなかなか難しくなってしまいました。でも、デスクワークだったら週に1回、2回でもいいから就職口が開けるんじゃないかなと思って。
- ケースワーカーさんがSOU WORKSを勧めてくださったとのことですが、上野さん自身はSOU WORKSをどう感じましたか?
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ここだったら私が緊張して通えると思いました。
- 緊張した方がいい?多くの方がリラックスできる場所を選ばれるような気がしますが?
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私はキレイに整えていける場所、緊張感を持って過ごせる場所がいいと考えていました。長く接客業をやってきた中で、例えばコンビニのレジではお客様が気持ちよく商品を確認して、気持ちよくお金を払って、また買い物にいらっしゃるということを念頭に置いて接客していました。そういうちょっと張り詰めた気持ちで過ごすことが私にとっては大切で、自分が崩れていかないようにしたい。すれ違ったときに「奥さん、いい匂い」って言われたいじゃないですか(笑)
「自分を見直そう」とパソコンでユーキャンの薬膳コーディネーター講座を勉強中
- 現在は週5日通われているそうですが、どんなことをしていますか?
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今はパソコンでユーキャンの薬膳コーディネーターの勉強をしています。最初は動画制作なども少しやってみたんですが、どうにも頭も身体も動かない(笑)それで「よし、資格を取ろう」と思い立ってユーキャンに問い合わせました。
- 薬膳に興味があったのですか?
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自分が視床出血で倒れるなんて思ってもみなかったんですが、実際そうなってみて、やっぱり人間の身体って食べ物でできているなと思うようになりました。人生ももう折り返しだし「食生活を見直そう、自分のことを見直してみよう」と思うようになって薬膳に興味を持つようになりました。
- それでユーキャンの講座を勉強されているんですね。SOU WORKS高原ではそういうことも自由にできるんですね。
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ありがたいことに玉山さんが許可してくれました。
- ふだんSOU WORKS高原の利用者さんは何人くらいいるんですか?
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10人くらいのことが多いです。それぞれ自分の作業をしていて、質問があったら職員さんに聞いたり、一緒に調べてもらったりします。職員の皆さんはみんなはつらつとしていていいですよ。
- 職員の皆さんも元気なんですね。
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玉山さんが引っ張ってくれるから元気です。皆さん話しやすいですが、大事なことはやっぱり玉山さんに話しますね。困ってると言ったらすぐにできる限りいろんなことを調べてくださったり、情報をくれるので、私たちも迷子にならずにいられます。
自分の強みやチカラを理解して訓練に臨めば、SOU WORKSには変われる環境がある
- 上野さんにとってSOU WORKS高原はどんな場所でしょうか?
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自分を律するところであり、自分が成長できる場にしていきたい場所です。
- まだ、今からここで成長していこうということですね。
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常に自分の中にクエスチョンマークを持ってここにきて、帰るときにはそのクエスチョンマークに答えが出ているようにしたいと思いながら通っています。
- 素晴らしいSOU WORKSの利用の仕方ですね。これからSOU WORKSでやりたいことはありますか?
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やりたいことはたくさんありますが、まずはカフェみたいなところで接客をしてみたいかな。就労継続支援B型事業所でカフェをやっているところっていっぱいありますよね。そういうカフェでお客さんの口に出さない気持ちを汲み取るような接客がしたいです。
- これからSOU WORKSを利用しようかなと思っている人にアドバイスをお願いします。
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自分の立ち位置をちゃんと決めてSOU WORKSで訓練するのがいいと思います。以前就いていた仕事など、それぞれ自分の立ち位置があると思います。この先どんな仕事に就くかはわかりませんが、自分の強みは何か、どういうチカラを発揮できるかをしっかり持っていた方がいい。SOU WORKSでは玉山さんや職員の皆さんにアドバイスしてもらえて、自分が変わるための環境があるので、自分の立ち位置をきちんと持っていたらすごく伸びると思います。
インタビューを終えて
上野さんからは、身体を壊す以前の自分に戻ろう、さらに成長しようという強い意志が伝わってきた。接客業を長くやってきて、カフェで接客がしたいという上野さん。信頼する玉山さんたちスタッフの支えのもと、ぜひとも目標を達成してほしい。