気分が少し下がっていても、SOU WORKSに来たら何かが変わる
SOU WORKSうるま兼箇段 天願誠さん
ワクワクする日常を届ける就労継続支援B型事業所SOU WORKS >は、一人ひとりにとって居心地のいい居場所であることも大切にしているというが、実際、どんな居場所なのだろうか。「SOU WORKSに通い始めてから自分を出せるようになって、楽になった」と言う天願誠さん(52歳)に話を聞いた。
気分が上がってきたら、やっぱり社会につながりたい
- 天願さんはSOU WORKSうるま兼箇段に通い始めて5カ月になるそうですが、その前はどこかの就労支援に通っていらっしゃいましたか?
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SOU WORKSに来る1年半くらい前まで作業所に通っていました。そこには1年くらいいたかな。その前にも1カ所通っていたことがあります。
- 以前通っていたところを辞められてから1年半くらいはどこにも通っていなかったのですか?
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その1年半は無気力な時期で、週に2、3回外出するほかは引きこもっていました。あとは車中泊で旅に出ました。
- 車中泊で旅ですか。楽しいですよね!
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1カ月ほど九州と四国を回りました。ちょっと自分の気力を試そうと思ってやったんですけど、1カ月しか持たなかった(笑)もうちょっと、3カ月くらい持てばよかったなって思ってます。
- ご自身で気力を試そうとチャレンジされたんですか?
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はい。以前、車中泊で北海道に行ったことがあって、それが楽しかったので今度は長く行こうかなと。でも、暑さにやられて戻ってきました。
- それからSOU WORKSうるま兼箇段に行こうと思われたんですね。
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また気力が上がってきたので外に出たいなと思いました。やっぱり組織に属したいというか、社会につながりくて、就労支援に通おうと思いました。
- 思い立ってから、どうやって就労支援を探したのですか?
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偶然SOU WORKSのパンフレットを見て、すぐ「ここだ!」ってなりました。
SOU WORKSうるま兼箇段
開放的な空間、症状に合わせた声かけ「居心地がいいな」とうるま兼箇段に決めた
- SOU WORKSのパンフレットがきっかけだったんですね。
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うるまシティプラザに置いてあったのかな。SOU WORKSの3つの事業所が全部載っているパンフレットで、3つの事業所全部を見学しました。
- ――見学してみて、どんな印象でしたか?
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最初にうるまシティプラザに行きました。見た目はあったかい雰囲気でしたが、窓がなくてちょっと息苦しい感じがしました。あとうるまシティプラザはゲーミングPCがあって、ゲームが好きな方にはいいと思いますが、私は落ち着いている方がいいのでちょっと違うなと。やっぱり窓がある方がいいですね。
- SOU WORKSうるま兼箇段は大きな窓のある開放的な空間が気持ちいいですよね。
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はい、開放感は大事でした。あと、うるま兼箇段は雑談ができる雰囲気もよかったです。
SOU WORKSうるま兼箇段の開放的な空間
- 見学の際、体験もされましたか?
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動画編集の学習プログラムみたいなのを半日体験しました。ただ、半日ずっと作業に向き合う感じで、ちょっと自分を出せない感じがしました。
- 天願さんとしてはお話しながら作業する方がいいんですね。
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そうですね、集中するときはするんですけど、息抜きで雑談もしたいです。SOU WORKSうるま兼箇段では周囲の人に話しかけたりもできて、自分を出せるようになって楽になりました。スタッフの方も無理にお尻を叩いて「作業しなさい」とかはなく、それぞれの症状にあわせて声かけをしてくれるので、自分に合った楽な方法で作業ができます。これは居心地がいいなと思いました。
Canva、html、java script、wordpressなど得意な作業を週5日
- それでSOU WORKSうるま兼箇段に通い始めたわけですね。今は週に何日くらい通っていますか?
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ほぼ週5日通っています。
- うるま兼箇段は、普段、利用者さんは何人くらいいるんですか?
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多い日は20人くらいいます。
- うるま兼箇段の中でもいろいろな作業をしている人がいると思いますが、同じ作業をする人たちが集まってやっているんでしょうか?
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そうですね、一番広い部屋ではテーブルにパソコンを置いて講習会をやったり、イラストを描いているテーブルがあったり。パソコン室もあります。軽作業をやる人たちも固まってやっています。
- 天願さんご自身は、どんな作業をしていますか?
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入った最初の月はポスターのリニューアル作業をしました。ライフデザインの児童デイサービスまはろ(現・放課後等デイサービスSOU NEXT)の利用者募集ポスターで、募集人数を更新したり、デザインを見やすくしたいといった要望に合わせてレイアウトを変更したりしました。
- それはどんなソフトで作業されましたか?
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Canvaです。使いやすかったですね。ほかの皆さんも使っていて、特に支障なく使えました。
- 2カ月目以降はどんな作業をされましたか?
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2か月目には古着の毛玉落としやラッキョウの皮むきといった軽作業も少しやりました。並行してプログラミングも始めました。
- プログラミングというと、具体的にどんなことをされているんですか?
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オンラインゲームを2つほどつくりました。ひとつは簡単なものでしたが、もうひとつはがっつりゲームです。画像にかかった粗いモザイクをだんだん細かくしていって、そこに写っている人物を当てるような。モザイクが細かくなると答えがわかるやすくなるので得点が低くなります。
- どんなプログラミング言語を使っているんですか?
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htmlとJava scriptです。一般的に使われているものですね。
- 天願さんはプログラミングの知識はもともと持っていたんですか?
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はい、ネットで仕事を請け負ったりしていました。そのころにいろんなプログラミング言語を覚えました。最近はchatGPTも活用しています。単発の処理をchatGPTにつくってもらって、それをつなげるんですけど、chatGPTは素晴らしいですよ。
- SOU WORKSうるま兼箇段に通い始めてから覚えたこともありますか?
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勉強会でWordpressを覚えました。ホームページを簡単につくれるCMS(コンテンツ管理システム)というツールです。最近はイラストも始めました。
集中して作業と休憩のメリハリがあるイラストが一番合っている
- イラストはどんなツールを使って描いていますか?
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アイビスペイントというフリーソフトを使っています。いろんな作業を試してきましたが、イラストが一番合っているなと思っています。
- どんなところが合っているんですか?
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プログラミングをやっていると、順調にうまくいっているときは気分が上がるんですけど、うまく進まなくなると気分が下がっちゃうんです。この波が激しいので、主治医にも「やめておいた方がいい」と言われました。軽作業の場合は2時間ぶっ通しでやるので、充実感はあるんですが、私は休憩が取れた方がいい。その点、イラストは自分のペースでできるところがいいです。作業に集中して、休みたくなったらワイワイ雑談してというメリハリがつけられるのがいいなと思っています。
- 自分のペースで休憩できるのも大事ですよね。
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私みたいにおしゃべりしたい人もいれば、一人でゆっくりしたい人もいます。ゆっくりしたい人は、本当にずっとソファでゆっくりしています。
みんなの輪の中にいる、社会とつながるからがんばれる
- SOU WORKSうるま兼箇段に来てよかったですか?
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はい、やっぱり組織に属してみんなで一緒にやるのはいいですね。プログラミングでもイラストでも、行き詰まったときにはみんながいるので相談しやすい。スタッフの中に救世主みたいな人がいて、困ったら本当に救世主みたいに解決してくれます。家で一人でやっているのとは全然違います。悩みを聞いてもらったり、面白いことがあったよって話したり。私は、やっぱり一人でいるよりみんなの輪にいた方が気楽です。
- 社会とのつながりは、天願さんが最初にSOU WORKSに通おうと思った理由そのものですね。
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WEBでコンペ形式の仕事に応募することもあるんですが、これも社会とのつながりができて自信になっていると感じています。過去に通っていた作業所でハンドメイド品を身内に売ったりしたこともありますが、売れたらそれなりに達成感はあるんですが、知り合いだから買ってくれてるんじゃないかなとも思ってしまいます。ですが、WEBのコンペでは実力で選ばれるので「認められた」という達成感があります。
- コンペにも提案を出すんですね。
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ほかの事業所ではあまりできないと思うので、そういうことができるのもSOU WORKSのいいところだと思います。それに一人だとあきらめてしまうようなときにも、SOU WORKSにいるとみんながいるから納期意識を持って完成まで持っていけたりもします。
- 天願さんにとってSOU WORKSうるま兼箇段が居心地がよくて、充実していることが伝わってきます。
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みんなが辛いときにも踏ん張っている姿を見ているので、自分が辛いときにもがんばろうという気になります。気分が少し下がっていても、SOU WORKSに来たら何かが変わると感じて通っています。一人もいいんですけど、やっぱりみんなの輪の中にいた方がいいですね。これからSOU WORKSに通おうかと考えている人には、みんなと一緒にいるよさを感じてみてほしいと思います。
インタビューを終えて
天願さんにとってSOU WORKSうるま兼箇段で過ごす時間が支えとなっていることがよく伝わってきた。いろいろな作業の中から自分にあった作業を見つけて、気軽に話せる人たちがいる。SOU WORKSうるま兼箇段との出会いは天願さんの日常とこれからにとって、きっと意義あるものになるに違いない。